鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
見ていたくない、彼の仕草。
彼女だけを想っていて、イチャイチャを見せつけるような行為。
心が、モヤモヤする。

見ていたくないけど、見てしまう。
目を逸らせても、同じ教室内。
うっかり視界に入ってしまって、見えてしまうこともある。

瀬田君は優しく立花さんをエスコートして、席に戻っていった。

「はい、ありがと」

「はいはい、座れって」

お茶を瀬田君に返して、立花さんは次の授業の支度を始めた。
それを優しく見つめる瀬田君の視線には気づくことなく。
< 31 / 254 >

この作品をシェア

pagetop