奏で桜
大好きなヒイロと一緒に
居られるんだもん。」


「…ティアナちゃん。」


私は精一杯、
無邪気で可愛らしい笑顔を〝作った〟。

彼女は私がそう言うと
何も言えなくなってしまったのだった。


アルトに何度も言われ続けたから
よくわかるんだ。
相手を投了させる言葉のことを。


「…それに…。」






「…え?何か言った?」



「…ううん、何でもないよ。」



それに…









〝私が外に出る事は
そんなに悪い事なのかな…?〟




私がメロンソーダを飲むと、
氷はカランという音を立てた。
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