【短編】恋愛事情
翌朝、彼女は、シャワーを浴びるとすぐ着替えてしまった。

やっぱり、朝のイタズラは、してもらえなかった。


俺は、帰り支度する彼女を抱きしめ、少し広く開いている襟元から手を入れ、胸の頂きを摘む。

いつも抵抗などしない彼女。


俺の与える刺激に素直に反応する。



「ン…フゥン…」
少し身動ぎしながら、声を洩らす。

それに反応してしまう俺。

30歳半ばだってのに…
恥ずかしいのを隠すように呟く。
「うっ…ムクった…」

そんな俺の呟きに彼女が
「ムクった?」
小首を傾げて聞いてくる。

「上半身は、アラフォーだけど、下半身は、20歳代」
なんておどけて言ったら、なんのことかわかったみたいだ。

そして、ガウンの上から俺の下半身に触れて確認する。

少し気恥ずかしくしてたら、彼女がその場に膝をつき、反応してしまった俺自身を口に含んだ。


俺は、彼女に口でしてもらうのが大好きだ。
こんなことされてうれしくないわけがない。
立ってる俺に跪いて口でするなんて、征服欲を掻き立てる。


しかし、あまりにすぐ反応したのが恥ずかしいのと、これだけでイキそうになってしまうのが、よけい恥ずかしさを増して、無理やり彼女を離した。
「仕事行くのに、朝から出したらヘロヘロになっちゃうよ」なんて言ったが、照れ隠しだ。


今までだって、彼女のイタズラで朝からしたことあるんだから…
だけど「そうなの?」と言っただけで、彼女は、離れてくれた。

ホント、物分かりのよい彼女だ。

そんな彼女に軽くキスをしてお互いに「またね」と言って彼女が部屋から出て行くのを見送った。


"またね"だけで、次の約束をしない俺をいつも待っててくれる彼女。

そんな彼女がサプライズしてくれた夜は、いつもより密夜だった。
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