イケメン御曹司に独占されてます
ここは滅多に人のこない場所。
新入社員の頃見つけて、良く池永さんに怒られてはここへ来て泣いていた。
今では仕事で怒られて泣くことはほとんどないけれど、今日のことは、やっぱりかなりの衝撃で……。
「あれ、先客がいたのか。……なんだ、萌愛ちゃんか」
よく通る雅な声。こうして顔を見ずに聞くと少し池永さんに似ている。従兄弟が似ると言うのはよく聞く話だけど、声まで似るものなんだ。
「どうしたの、こんなとこで。……あぁ、今日のあれか。さすがにあれは目立ちすぎだよな」
そう冗談めかしていうものの、拓哉さんの表情も明らかに沈んでいる。
当たり前だ。だって加奈子さんは、拓哉さんの婚約者なんだから。
「加奈子さん、何かあったんでしょうか」
いつも穏やかで感情の起伏が無い加奈子さんが、あんなに取り乱すなんて。そのことも心配だった。
「どうなんだろ。でも良かったんじゃないか? ああやって秀明がひと目も憚らず守ってくれるんだから」
そう自嘲的に答える拓哉さんは、今にも崩れ落ちそうなほど頼りなげに見える。
新入社員の頃見つけて、良く池永さんに怒られてはここへ来て泣いていた。
今では仕事で怒られて泣くことはほとんどないけれど、今日のことは、やっぱりかなりの衝撃で……。
「あれ、先客がいたのか。……なんだ、萌愛ちゃんか」
よく通る雅な声。こうして顔を見ずに聞くと少し池永さんに似ている。従兄弟が似ると言うのはよく聞く話だけど、声まで似るものなんだ。
「どうしたの、こんなとこで。……あぁ、今日のあれか。さすがにあれは目立ちすぎだよな」
そう冗談めかしていうものの、拓哉さんの表情も明らかに沈んでいる。
当たり前だ。だって加奈子さんは、拓哉さんの婚約者なんだから。
「加奈子さん、何かあったんでしょうか」
いつも穏やかで感情の起伏が無い加奈子さんが、あんなに取り乱すなんて。そのことも心配だった。
「どうなんだろ。でも良かったんじゃないか? ああやって秀明がひと目も憚らず守ってくれるんだから」
そう自嘲的に答える拓哉さんは、今にも崩れ落ちそうなほど頼りなげに見える。