イケメン御曹司に独占されてます
「エイッ!」


「セイッ!」


子供たちの覇気が感じられる掛け声が、道場に響いている。
道着を纏った老若男女が、それぞれ気迫のこもった稽古をつけている。
今日が稽古納めということもあってか、道場内には気持ちの良い緊張感が漂っていた。


それで、池永さんはというと……。

目で追った先にいる池永さんは、眩しいくらい凛々しく麗しい姿で、小学生の男の子達を指導している。

みんな見とれて練習どころではなくなるから、池永さんの生徒に女子はいないらしい。


池永さんの凛々しい姿に見惚れる私の隣では、舞美さんが壮太と幸太を見守っている。
ハラハラしながら見守る優しい眼差しは、いつか病院で見た佐藤さんの奥さんのそれと似ている。


「声が小さいっ!!」


「ヤー!」


「腹の底から声を出せっ。そんな気合じゃ、見ただけで弱いと分かるぞっ」


「セイッ!」


小さな壮太が、師匠の厳しい眼差しに泣きそうになりながら、必死で叫んでいる。
もう、ほとんどやけくそで……。そんな姿が可愛くて仕方無い。
何度も何度も繰り返して。きっとこうやって、池永さんも源兄ちゃんも強くなっていったんだろう。
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