今宵、君の翼で


「今日マジでかわいすぎっから…それなんなの?」


「え、なんなのって…浴衣だよ」


「それ着るの俺の前だけにして」


「そんなのヤダよー!」


翼って結構ヤキモチ焼きだし過保護だ。


「美羽さぁ…自分の可愛さ自覚しろよ?」


「…ナルシストになりたくありません」


「ちげーし!本当にお前は他のヤツより可愛いんだから!」


そんな翼の言葉を、周りの人たちは笑いながら聞いている。


は、恥ずかしい…


「つ、翼!なんか食べよう!」


私は無理やり話題を変えた。


可愛いって言ってくれるのは嬉しいけど…言いすぎだよー!


私達は屋台で食べ物を買って、人気のないところまでやってきた。


下駄は慣れないからすぐ疲れてしまう。


近くにあった大きい岩に座ると、その隣に翼も腰かけた。


「もうさぁ…我慢できねー」


「え!?」


翼が私を抱き寄せて少し乱暴なキスをしてきた。


舌が噛まれてしまうんじゃないかってくらいの熱いキス。



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