流れ星に4回目の願いを呟く時。
「……て、」


「何?まだ話は終わって、」


「もう、やめて!……もう……て、」


 それ以上はもう、限界だった。


 初めて見る私の顔に、真貴子は動揺も、同情もしなかった。まるで何かをやり遂げたような、そんな達成感に浸るような表情を浮かべていた。


「…やめないよ。」


 そして、これまで静かに、獲物を狙う蛇が這うように流れていた時間が、一瞬の間に遮られて、表情を変えた真貴子は、またその口を開いた。


「でもね、ホタル。私は後悔してない。後悔、してないよ。」


 そう言って真貴子は立ち上がり、店を後にした。


  
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