流れ星に4回目の願いを呟く時。
 そんな昔の話を長々と、私はビールジョッキを片手に由美子に話していた。べろんべろんになっていたことは言うまでもない。


「ふーん。だから行きづらいのね。」


 由美子もカケルと同じように、何も言わず私の話を聞いていた。カウンター越しの居酒屋いろは屋のバツ1マスターであるテツさんも、黙ったままで黙々と〆に頼んだ茸雑炊を作ってくれている。


「あんたも大変だったのね。」


 その日私は結局家に帰れるような状態では無く、いろは屋で由美子と泊まった。翌朝の二日酔いを後悔せずに飲んだのは初めてだった。







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