流れ星に4回目の願いを呟く時。
 どうにか研修会を無事に終わることが出来た。ほっとした顔が、熱いコーヒーの湯気に緩む。


 大学の生協レストランは流石に年明け間もないこともあってか、人は疎らだ。


 ここで由美子は学園生活を過ごした。自分の過ごした大学との違いは明らかで、ここには小難しそうな数式を偉そうに語るものも、テストの結果を自慢することに生き甲斐を求めているものもいない。


 違う人間を創っているはずだ。


「さっきはごめん。」


「ごめんじゃないですよ。まったく。」


 由美子は私よりも1つ上の先輩。早生まれで産まれた年は同じで、緊張する私をちゃかしたつもりか、もしくは若作りの為かは分からないが、初めて保育園に出勤した日に同級生だね、と言ってきたのが懐かしい。




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