流れ星に4回目の願いを呟く時。
 久しぶりのスキー。
 今年も結局、午前中までにどうにか少しは滑れるようになった程度で、何の進歩も無い。


 先生方のほとんどは経験が豊富なようで、由美子だけでなく皆さん人並み以上のレベル。リフトで頂上から滑れないことに歯痒さを感じていらっしゃる方も多い。羨ましいことだ。


 夏産まれの蛍は、確かに蛍雪の功なんて言われて、どうも夏も冬もかりだされているようだが、私は専ら夏専門のようだ。


 小さな胸を見られるのは嫌だが、夏の水泳大会の方が私は輝いていた。


 そんな過去に浸っていると、にやにやしながら何かを思いついたような表情を浮かべて由美子が話しかけてきた。


「ねえホタル。私ずっと思ってたんだけど、今度あんたの実家に連れて行ってよ。もちろんホタルちゃんの案内付きで。車は私が出すからさ。」


 なんとも急なことだ。談話構成も何も無い。しかしいつも飲みの誘いが来る時もこんな感じだ。


「えー、嫌ですよ。しかもなんでそんな急に。急すぎます。」


 ここで無視をすれば万事解決というものなのだが、放っておいても結局飲みに連れて行かれているのが事実。


 しかし、本当に何故だろうか。


 なかなか女子同士でお互いの実家を巡ろうということなんて、珍しいことだ。大抵は近場で済ませたい。それが本心だろう。





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