流れ星に4回目の願いを呟く時。
 その後、同じ町内の高校に進んだ3人だったが祐樹は結局海へと町を出て行き、祐介も雪国へと就職してしまい、町に残ったのは由美子だけだった。


 そして高山市内の大学へ進み、今に至るという。


 そんな昔語りを恥ずかしいそうに、照れ隠ししながら話していた。


「でも、双子で似てないなんて。じゃあ祐介さんよりもイケメンなんですか。」


「いやいや、全然。昔から祐介は女子に人気があったけど、祐樹の方は何ていうのかな。昔気質の親父みたいな男よ。」


 笑いながら言う由美子の顔は、何だか可笑しいというよりも、嬉しそうだった。


 好きな人の話をする時、人は皆こんな感じなのかもしれない。おそらく私もそうなのだろう。


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