流れ星に4回目の願いを呟く時。
 家の表札の汚れ具合も、お父さんが酔って買って来て植えていた庭の木々も、去年そのままで、まるで時間がそこで止まっているような感じだった。


「おじゃましまーす。」


 私は少しふざけて、そんな台詞を吐き捨てながら家へと入った。それを見ていた由美子と母は、少し驚いていた。


 お父さんは未だ仕事から帰ってないようで、とりあえず私たちは荷物を降ろして、リビングで過ごした。


 キッチンで夕食を作る母をよそ目に、私はTVを付けて、未だ落ち着かない由美子を無理やりソファーに座らせた。



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