私の小さな願い事
高杉と京を離れる支度を始めたら

私の荷物が少なすぎて

色々と買い足してくれた


旅の道中

何があってもいいように

男装で、腰に刀をさした

久しぶりで、重たい



「桂さん、ありがとうございました!!
また、会えると思うけど、お元気で!!」

「ああ お前も元気でな! 桃」

「はい」

私があんまり嫌がるから

桃と呼ぶようになった

「桃!!元気でな!!」

「桃の飯、うまかった!!」

「帰った時は、会いに行くからな!!」


「はい!皆さんのお帰りをお待ちしてます!
だから… ちゃんと帰って来て下さいね」


皆も、桃と呼んでくれる


少し大きくなった気分で嬉しい


高杉と二人、京を出た



大阪から船に乗る



歩くのは、体に負担がかかるから


「寒くないですか?」

「寒いから、こうしてていいか?」

と言ったときには、すでに高杉の懐に

私がいる

くるりと回されて、後ろから抱きつかれて

私の背中は、ぽかぽか

「また、熱上がってません?」

「そうか?桃にひっついてたら治るよ」


絶対に治らないよ!!

私にそんな力ないもん!!


「やべぇ… 幸せ」

「は?」

「桃~俺、幸せ」


熱でおかしいの?


「俺、死ぬまで、こうしてたいなぁ」

「大丈夫?具合悪いの?」

「ゲホッ ゲホッ… 」

「ほらぁ!!」


私が、くるりと回ると

あんまり顔が近くて、驚いた


「桃…ダメ! 移るから!!ケホケホ」


また、くるりと回された


むむむむむっ!!!


もう一度、くるりと回る

高杉の顔を両手で包む

「いいじゃない!!移っても!!
私には、優里以外に大切な人がいないの!
優里は、江戸なんだから!!
今、高杉さんしか、いないのよ!!
ひとりぼっちになるくらいなら、一緒に死んでもいいわ!」

ぷんぷん言ったのに

ニコニコして

「幸せすぎて、死にそう」 って…


抱きしめられて、「ひやあ!!!」

首を吸われた…

パシッ

「//////////何すんのよ!!」

「口づけしたら、怒ると思ったから
首にしたんだけど?
口のが良かったか?」

「こういうことは、夫婦じゃないと
しちゃいけないの!!!
今度、変なことしたら、本気で殴るから!」


「口にしとけばよかった」


「反省してよぉ!!!馬鹿!!」


からかわれながら

楽しくあっという間に

船を降りた


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