私の小さな願い事
その夜


夢を見た



とても、怖い夢だった





慶喜様が新しく貰った側室

その女は、多津をイジメ抜いていた


多津は、私の部屋で泣いていた



そして…


首を吊った


「いやぁーー!!!」

「うわぁ!!どうした!!」

飛び起きて、胸元を押さえる

心臓が…

暴れている


「桃?大丈夫か?怖い夢みたのか?」


「桂さんに、文を書きたい…
歳三に確かめて欲しいことがある」













しばらくして、返事が来た






多津は、首を吊り、亡くなったそうだ

人を恨んでも、何の徳もないと

新八が教えてくれた


だけど…



あの側室さえ来なければ

私も、多津もこんなことにならなかったのではと、悔しいの


その夜



また、夢を見た





それは、毒を飲んだ日のこと

そう…

あの女中…


側室の指示で、毒を…


最初から、狙いは私…


側室の座を得る為に、私を殺したかった



慶喜様が、私から離れて行ったのは

この側室のせい



今更……



知ってどうなるの?


ねぇ?優……


私は、恨みたくない



そして…



夢の続き





満開の桜が、とっても綺麗な日








桜を見上げ、泣く


私の姿









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