私の小さな願い事
明治 二年 夏
木戸さんから

歳三が亡くなったとの文が届いた



もって来たのは、遠藤さん



「あの… 木戸さんから、桃さんに胸を貸すように言われたんですけど…」


「少し借りて、いいですか?」


遠藤さんの胸を借り、たくさん泣いた

私につられて、子供まで泣き始めた


「ありがとうございました
落ち着きました
梅太郎、よしよし」

「梅太郎!?」

「梅の時期に産まれたので」

「そのままですね……」

「だって、そのままだったんだもん」

「……???」


歳三の句は、そのままだったんだもん


「おいで~梅太郎!!」


遠藤さんの広げる手に、梅太郎を渡した


「可愛いなぁ~」

「なりますか?」

「何に?」

「お父ちゃんに」

「…………いいんですか?」

「駄目」

「は?」

「嘘です!
三人で大阪で暮らしましょうか」

「桃さん!!!
それって… それって…」

「あっ… 嫌なら、いいんですよ?」

「わわわっ!!!嫌じゃないです!!!
よろしくお願いします!!!」











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