私の小さな願い事
明治 十六年 春

私の小さな願い事

私は、大阪に移り住み

遠藤さんと暮らすようになった

私の料理をおいしいと涙する

梅太郎と本当の親子のように

時に厳しく、激しい喧嘩もする

梅太郎は、遠藤さんが大好き



たくさんの人に支えられ



今の幸せがある








「お願いがあるんです
造幣局の桜を見せて下さいませんか?」


遠藤さんが綺麗だって言うから

見てみたかった


昨年の春にお願いしたこと


今年、実現してくれた



「わぁ~」



私の薄い目にも、あざやかな柔らかい

桜の色が見える












「目が見えなくなっても、毎年ここに
連れて来て下さいね!!
梅太郎と三人で来ましょうね!!」


















ずっと

平和な世が、続きますように













             終わり








< 153 / 153 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:10

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

深紅と浅葱

総文字数/66,314

歴史・時代188ページ

表紙を見る
無敵の剣

総文字数/172,784

歴史・時代361ページ

表紙を見る
明日も、生きる

総文字数/53,142

恋愛(その他)76ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop