私の小さな願い事
人違いだろうと思おうとしたけど

俺の弟子、弟の依里

いや、孝頼


会いたかった


「もう、会えないと思ってたから
歳三が浪士組にいて、驚いたよ!!
ずっと会いたかった」


同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった


「お前こそ!!上司って、脅かすな!!」

「いや、上司だもん
今日は、芹沢のことを聞くのと
将軍警護の仕事を持ってきたんだぞ!!」


ちんちくりんのクセに


どうやら、本当に上司らしい


仕事の話をして、いつの間にか


幹部連中とも仲良くなり


「じゃあ、皆!!よろしくね!!」


顔を隠して、帰って行った


俺がよりと呼ぶから

皆もそう呼び出した


「他の人の前では、困りますよ」



念押しして、いた






「驚きましたね」

総司が感慨深いと腕を組む


「まさか… 本物だとはな……」

「いえ、土方さんですよ!!
あんなにニコニコして、抱っこして甘やかしてるとこ、初めて見ましたよ!!」


俺的に、総司も依里と同じくらい

可愛がっていたつもり


これは、依里へのヤキモチか?



総司の頭をぐりぐりと撫でる



「わぁーーー!!!
なんですか!!やめて下さい!!
気持ち悪い!!!」



照れてんのか???



顔を見ると、心底嫌そうだ



「ふっ 総司も俺の弟だろ?」


ああ言えばこう言うの総司が


黙ってそっぽ向く




素直じゃねぇな




もう一度、頭をポンとして







俺は、自室へ戻った








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