私の小さな願い事
それから何度か新選組に用事で行ったが

歳三は、笑ってくれなくなった




仕事の話以外もしない


屯所を出たものの

そのまま帰る気になれず

壬生寺にて、沖田総司とばったり…





「嫌われちゃったのかな…」

「よーり!!」

「なんですか?沖田さん」

「どうして、そう思うの?」

「わかりません……でも、歳三
笑わなくなったから……」

「土方さんはね、鬼の副長と呼ばれるくらい、もともと笑わないんだよ
新選組の為、近藤さんの為
悪役をかってでてくれてる
だけど、土方さんの言うことは、筋が通ってて、皆、土方さんが好きだし
信じてる!!僕もね!!
よりは?」

「うん、信じてる……」



けど……


沖田さんほど、信じてないかも……


歳三と過ごした日々より

離れて暮らした年月が

私をそうさせているのかな



だとしたら、変わったのは










私は、歳三を疑うほど、心が捻くれたのね



「沖田さん、帰ります」

「はい、お気をつけて」








この日から、新選組へ行くのを辞めた











< 26 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop