君のそばで会おう ~We dreamed it~
「可南子、何を食べてるの?」
スウェットに着替えた想太は、美味しそうな匂いに反応した。
「夕食をあまり食べれなかったから、うどん作ったの。
想ちゃんも、食べる?」
可南子は、今夜、瀬戸と会った事は黙っておこうと思った。
いつかは話そうと思ってはいるが、それは今日じゃなくてもいいはずだ。
今、こんなに穏やかな想太の笑顔を消したくはなかった。
「いいや・・・
俺達、今日は、銀座で寿司だったんだ」
「いいな~」
「今度、一緒に行こう。
明日の夜でもいいしさ」
「そんないいお店だったら予約なしじゃ入れないよ」
「そっか・・・」
想太は、残念そうにうつむいた。
「別に、銀座の寿司とかじゃなくていいよ。
想ちゃんが一緒だったら、近所のくるくる寿しでも全然OK。
家で手巻き寿しパーティでもいいし」
「可南子、早くうどん食べ終わって」
想太はそう言うと、ソファの隣をポンポン叩いた。