君のそばで会おう ~We dreamed it~



想太は可南子のセミダブルのベッドの上で、横でまどろむ可南子を見ながらずっと考えていた。

可南子の長崎への異動のことだ。
今日の接待の帰りに、山本からも言われた。


「部長、そろそろ朝倉さんの異動の件、人事の方へ返事をお願いします。
部長のお気持ちも分かりますが、まずは覆ることは絶対にないです。

残念ですが・・・」


想太はもう気持ちは決まっていた。
それを、可南子にいつ伝えるかだけだ。
でも、もうこういう事を考える自体、可南子へ伝えるのも時間の問題だった。


想太は横で眠る可南子の髪を触りながら、「起きてる?」と聞いてみた。


「うん・・・」


寝ぼけた目で想太を見る可南子は、本当に可愛くて絶対に離したくないと想太は強く思った。


「可南子、本当は、こんなゴロゴロしている時に言う事じゃないのかもしれないけど・・・

でも、今言いたいんだ・・・」



「うん、何?」



「可南子と結婚したい・・・
いや、結婚してください」






< 159 / 246 >

この作品をシェア

pagetop