美しき夜、北斗七星が輝く
バシッと萌に頭を叩かれたところで
あたしは我に返る
「美夜
あんた鼻にご飯突っ込むつもり?
口はもう少し下でしょ」
「……はっ」
いつの間にか鼻に持って行ってしまっていた箸を下ろす
そして深い溜息をついた
「はあああぁぁぁぁあああ……」
「溜息長い
そんなのじゃ幸せ逃げるよ」
「…………」
「しかし白羽も…
まるでストーカー並みに佐木さんに追いかけられているね
それを元からの性格なのか断らない白羽…」
「…だああああっ」
「美夜
ゲームに出てくるモンスターにならないで」
「うるせえええんだよおお」
「今度は盗賊ですか」
「おれのえものぬすむなああ
そうじゃないし!
紛らわしいこと言わないでよ萌!」
「ごみんごみん」
「古いわっ!」
あたしは萌に軽く八つ当たりをしていた
「…敵わないよ
あんな可愛い子になんて…」
あたしはご飯の残るお弁当の蓋を閉じた