美しき夜、北斗七星が輝く








「美夜
ご飯もう食べないの?」


「食欲ない」


「…まだ1日目だよ?
今日は貸すって約束しているんでしょ」


「貸すって…
白羽くん物じゃないのに」


「…明日になれば
白羽も美夜の傍に立って
美夜の食欲も戻っているよ」


「そうだと良いんだけど…」


「…しかしまあ
絵に描いたような文武両道女子だよねぇ

帰国子女だからか
国語は出来ないと思っていたら
軽々と敬語の問題を解いちゃうし

50メートル走も
今まで1番だった美夜の記録破っちゃうし

しかもあの可愛さだから
今のお昼休みまでに告白は数えること
10回以上…

あんなアイドルがいるんだねぇ」


「…………」


「まぁ白羽のことだし?
きっと見た目や成績だけで美夜を捨てるってことはないだろうから

久しぶりに会った友達だから話しているだけだよ

だから明日になれば
きっといつもの白羽に戻っているよ」


「…いつもの白羽くんって何?」


「美夜の傍にいる白羽に決まっているじゃない
白羽の隣に並べるのは美夜だけよ

逆に美夜の隣に並べるのも白羽だけ

…あ
同性は数えていないからね?」


「わかってるよ
…ありがとう萌」





きっとあたし…寂しいんだろうな

白羽くんとやっと会えたと思ったら

佐木さんに取られちゃって




明日になったら

白羽くんも戻ってくるから…

この寂しさも消えているよね…?







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