美しき夜、北斗七星が輝く

萌side








樹が授業中話していた

声が小さいから何言っているか聞こえなかったけど

樹は前を向いてしまった



その顔は…何だか寂しそうに見えた

どうしたんだろ…?

白羽に何か言われた?




「……!」



樹が前を向いた時気が付く

後ろの白羽も

樹同様寂しそうにしていたのを

だけど溜息をつくと

何事もなかったかのようにシャーペンを手に取った

そして配られた数学のプリントを解き始めていた




…何?

何でふたり共寂しそうだったの?

何の話をしたの?




「…………」




隣の佐木さんを見る

佐木さんは解き終わったらしいプリントの後ろに

シャーペンで落書きをしていた

何かを書き終わると白羽の机を叩いて呼んで

書いた何かを見せていた

白羽はプリントを覗きこんで少し笑っていた



それが終わると佐木さんは

今度は鞄から鏡とブラシを取り出して

ふわっふわな髪の毛を梳かし始めた




女の子だなぁ

落書きするのはどうかと思うけど

解き終わっていないのに諦めかけている私よりは良いのかな






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