美しき夜、北斗七星が輝く








「白羽くん…朝微熱あったって本当ですか?
あと抜け出したとか…」




平和主義で

争いごとを好まない

自分よりも他人を優先し

自分の想いを人に滅多に話さない白羽くんの行動にしては

可笑しな点が多い




「本当の話だよ」



來真さんが笑う

白羽くんに本当そっくりだ




「元々昨日の夜中に発作起こしてね…
朝熱計ったら37度5分で
休むよう言ったんだけど…

その後靴でも磨こうと玄関に行ったら
斗真の靴がないことに気がついて
部屋に行ってみたら…

まるで怪盗が抜けだしたかのように
カーテンが開け放たれた窓の風で靡(なび)いていて」



怪盗が抜けだしたかのようにって…

さすがベストセラー作家の白羽来真(くるま)さん

説明の仕方が凄い




「電話もメールも
竜真と手分けしてやったら
いつの間にか電源切られちゃって

空真が帰って来て事情を話したら
探しに行ってくるって出て行って
カツアゲに合っていた皆に出会ったってわけ」





そう考えると空真さん

ナイスタイミングで現れましたね…

お見事っ!







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