イジワル社長と偽恋契約
彼女がどんな人なのか旭さんとの深い関係についてもっと知りたかったけど、

聞いて落ち込みたくないと思って私からは聞かなかった。







「はぁ…」


数時間後。

恵さんと別れて終電で帰宅。


結構飲んだけどいつものフワフワとした心地いい感じは全くない。

こんな楽しくない酒を飲んだのは初めてだ。






ブーブーー…


その時その辺に雑に置いたカバンの中からスマホが鳴り、

スーツのままソファーに寝転がっていた私は起き上がってスマホを取る。





『今日はありがとね~超超楽しかった(*´∀`*)また行こうね!あとちょくちょく旭さん情報教えてねん♪おやすみー』



LINEのメッセージを見た後で、私はすぐに今日のお礼の文章を打った。


好きな人の婚約者と飲んで連絡先交換して、何仲良くなってんだか…

私って本当にバカだ。






「はぁ…」


ため息ばかりが出る。

明日会社行きたくないなぁ…






ピンポーーン


翌日。

こんなに朝が来て欲しくないと思ったのは久しぶり。


私は重い体をなんとか動かして、いつも通りお弁当を作って旭さんのマンションに行った。

危うくズル休みしそうになったが、私の良心が何とか体を起こしてくれた。




ガチャ…


いつもよりドアを開けるのがゆっくりに感じる。

中から顔を出した旭さんはいつもよりも機嫌が悪そうに見えた。






「おはようございます…」


気まずいな。

昨日はあんな形で帰っちゃったし……


でも普通にしてないと変だよね。






「お邪魔します。朝食持ってきたので用意しますね」

「…」


いつも挨拶したら「よう」と返してくれるのに、今日は無視された。


私はそれをスルーするように平然とした態度で振る舞うと、口数が少ないまま2人で会社に出勤した。



もしかしたら、やっぱり私が旭さんを好きだという気持ちがバレてしまったのだろうか…


だとしたらこんな態度を取られても仕方ない…
< 78 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop