イジワル社長と偽恋契約
何年ぶりかの恋はあっけなく終わったのだろうか…

そう思うと悲しいけど、もう子供じゃないし泣いたり友達を呼び出してスイーツ食べ放題に行ったりは出来ないな。



仕事して忘れていくしかない…

いつか思い出話になるまで…



そう思うようになってから、私と旭さんの微妙な距離感はそれから数日続いたのだった…








「………T社との会議の件ですが、20日にずらして欲しいとの事です。あと…」

「いつまでそんな態度を取る気だ?」



あれから数日後のある日の朝。

スケジュール確認の際、意外にも先にこの件に足を踏み入れて来たのは旭さんの方でだった。





「何の事でしょう…」

「とぼけるな」


誤魔化しても意味の無いことだとわかってる。

でもこの問題からは今は背を向けていたい。


解決して旭さんに対する自分の想いを失いたくない。

もうすぐ29歳になるけど私だって恋がしたい…


たとえ叶わなくても…






「こんな雰囲気おかしいだろ。俺達らしくもない。仕事しづらいし気分が悪い」



誰のせいだと思ってんのよ…


あんたが婚約者いるのにも関わらず私とキスして、

おまけに家まで泊めて彼と同じベットで寝たことだってあるし。






「…いい加減にしろよな」


私が悪いの?


考えてみれば私が悪いんだ。

私が勝手に旭さんを好きになったんだから…


旭さんからしてみれば私はただの世話焼き秘書。

特別な女性なんかじゃない…



その日も気まずい雰囲気のまま仕事を終え、今日は金曜日でいつも旭さんと帰りに飲み行くのが定番になっているのだが、

私は真っ直ぐ家に帰った。


コンビニで買った酎ハイを家で飲みながら、ため息ばかりついて嫌な気持ちになった。
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