イジワル社長と偽恋契約
「お気をつけて。社長によろしく伝えて下さい」

「うん!またね~ありがとう~」




パタン…


笑って手を振って玄関のドアを閉めたあと、

チクチクと痛んでいたものが全身に伝うのがわかった…




これでいいんだ。

秘書は社長の身の回りの世話をして、社長の幸せを願うのが仕事。


私は本業をやり切った。

そう思えばいいじゃない。







「っ…」


そう思えば思う程目から涙がこぼれた。

また失恋か…


今回は短かったな…




私はしばらくその場から動けなかった。

やっと動いた時にはもう日が暮れていて、何もする気が起きずにソファーに寝転んでまるで病人のように眠った。


翌日の日曜日も同じ症状で気のせいなのかストレスか…

それとも失恋からか体全身が痛い気がして一日中寝ていた。


音楽を聴いたりテレビを観たりして紛らわそうとしても、や

っぱり旭さんの事を考えてしまって何度も何度もため息をついた。


そしてあっという間に月曜日になってしまい、私はどうしても会社に行く気になれなくて仕事を休んだ。

仮病を使って仕事を休むのは、白鷺ハウスに勤めて初めてだった。






「はぁ…」


有給も余ってたしちょうどいいや。

なんて何度も思おうとしたけど…どこか良心が痛む。

こんな面倒くさい性格を本当に何とかしたい。





ブーブーー


ソファーで少しウトウトしていると、スマホの着信で起こされた私は目をこすりながら画面に目を向ける。




『おはよ~

今日の夜って空いてる?相談があるんだけど会えないかな??』



寝起きで視界がぼやけてる中、真希からのLINEを読んで私はすぐに「今日は体調が悪いからまた連絡するね」と返事を返した。
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