イジワル社長と偽恋契約
急にどうしたんだろ…

さっきLINEで断ったのに家まで来るなんてよっぽどの相談なのかな。

急に心配になって来たよ…






ガチャ…


「…どうしたの?何かあっ……た?」


ドアを開けると気まずそうに苦笑いして私に挨拶している真希と、

その一歩後ろにはスーツ姿の旭さんが立っていた。



私は一気に固まり動けないでいると、真希が気を使ったように口を開く。





「あ、あのぉ…ごめんなさい!相談は嘘です!!本当にごめんねっ」

「ちょっ…!」


何度も謝る真希はそう言って走ってその場から去ると、私と旭さん2人だけになる。


怖くて旭さんの顔が見られない。

今日休んだしきっと怒ってるんだ…





「…入るぞ」

「え、や…困ります。ぁ…」


ドアを閉めようとする私の手を掴み、強引に玄関に入って扉を閉める旭さん。


口調や態度でわかる。

やっぱりすごく怒ってるんだ…






「ごめんなさい…私……」

「良かった」

「え?」


枯れたような声を出す旭さんは、突然私を力強く抱きしめる。






「会えた…」


抱きしめながらボソッとつぶやく旭さんの言葉にドキドキしつつも、私はすぐにその体を払った。





「やめて!」



旭さんを突き飛ばすと、彼はイラッとしたように私に睨みすぐにでも何か言いたそうな顔をする。





「止めて下さい!!婚約者がいるくせにっ…そういうチャラいことするの嫌です!」


ずっと言いたくて喉の奥に止めていたことを言えた。

旭さんは呆れたような顔をしてため息をつく。


なによ…

秘書のくせにいちいちうるさい女だと思ってるの?






「抵抗するならしろ。いくら暴れたってお前は俺には勝てない」
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