イジワル社長と偽恋契約
指定した場所は和のスイーツカフェ。
個室の席に向かい合わせになって座り、気まずい空気を押し切るように旭さんの謝罪が始まった。
「以前にも話したと思いますが…私は自分の未熟さと力不足ゆえの軽率な行為で、あなたに軽々しい気持ちで婚約を申し込んでしまいました。こちらの勝手な行動で誠に申し訳ないですが、正式に婚約を破棄して欲しいです」
正座をして恵さんに深く頭を下げる旭さん。
私も彼の隣で頭を下げる。
彼女に申し訳ない気持ちと罪悪感でいっぱいになる…
「私はずっと待ちます。なので時間をいくらかけてもいいので破棄だけはしないで下さい」
恵さんの態度は至って冷静で、いつもの明るくてどこかテンションの高い様子はどこも伺えなかった。
旭さんのことを真剣に考えている証拠だ。
「気持ちは有り難いのですが…今好意を抱いてる人がいます。まだ正式に付き合えていないのですが…その人の事を諦められません」
恵さんに負けてないくらい旭さんも真剣な口調だった。
好意を抱いている女性は私…
泣きそうなくらい嬉しい。
でもまだどこか不安。
旭さんの言う「その人」は私のことなのか?と疑問に思ってしまう自分もいる。
「…そうなんですか」
目にうっすらと涙を浮かべる恵さんに、私の心はズキズキと傷んだ。
私も彼女に言わなければいけないことがある。
「私もあなたに謝らなければいけないことがあります」
「え?」
ハンカチで涙を拭う恵さんは、少し驚いたように私に見つめた。
「秘書である私の立場でこんな事言うのは間違いだとわかってるのですが…言わせて下さい。私は上司であり自分の勤めている社長である白鷺旭さんに、以前から真剣に思いを寄せていました」
言ってしまった。
本当は旭さんと2人きりの時に言いたかったのに…
でも言わずにはいられなかった。
このまま黙ってるなんて恵さんに悪いと思ったから。
「恵さんが私に社長のことを相談して来た時からずっと…私は密かに社長のことが好きでした。でも2人が婚約中だと聞いて自分の気持ちを言えなかったんです…ごめんなさい」
自然と涙が出てきた。
誰かの前で好きな人がいるって打ち明けて涙が出るなんて…
よっぽど悩んでいた証拠。
私の中に詰まっていた想いが全部破裂いたといえば正しいのか…
個室の席に向かい合わせになって座り、気まずい空気を押し切るように旭さんの謝罪が始まった。
「以前にも話したと思いますが…私は自分の未熟さと力不足ゆえの軽率な行為で、あなたに軽々しい気持ちで婚約を申し込んでしまいました。こちらの勝手な行動で誠に申し訳ないですが、正式に婚約を破棄して欲しいです」
正座をして恵さんに深く頭を下げる旭さん。
私も彼の隣で頭を下げる。
彼女に申し訳ない気持ちと罪悪感でいっぱいになる…
「私はずっと待ちます。なので時間をいくらかけてもいいので破棄だけはしないで下さい」
恵さんの態度は至って冷静で、いつもの明るくてどこかテンションの高い様子はどこも伺えなかった。
旭さんのことを真剣に考えている証拠だ。
「気持ちは有り難いのですが…今好意を抱いてる人がいます。まだ正式に付き合えていないのですが…その人の事を諦められません」
恵さんに負けてないくらい旭さんも真剣な口調だった。
好意を抱いている女性は私…
泣きそうなくらい嬉しい。
でもまだどこか不安。
旭さんの言う「その人」は私のことなのか?と疑問に思ってしまう自分もいる。
「…そうなんですか」
目にうっすらと涙を浮かべる恵さんに、私の心はズキズキと傷んだ。
私も彼女に言わなければいけないことがある。
「私もあなたに謝らなければいけないことがあります」
「え?」
ハンカチで涙を拭う恵さんは、少し驚いたように私に見つめた。
「秘書である私の立場でこんな事言うのは間違いだとわかってるのですが…言わせて下さい。私は上司であり自分の勤めている社長である白鷺旭さんに、以前から真剣に思いを寄せていました」
言ってしまった。
本当は旭さんと2人きりの時に言いたかったのに…
でも言わずにはいられなかった。
このまま黙ってるなんて恵さんに悪いと思ったから。
「恵さんが私に社長のことを相談して来た時からずっと…私は密かに社長のことが好きでした。でも2人が婚約中だと聞いて自分の気持ちを言えなかったんです…ごめんなさい」
自然と涙が出てきた。
誰かの前で好きな人がいるって打ち明けて涙が出るなんて…
よっぽど悩んでいた証拠。
私の中に詰まっていた想いが全部破裂いたといえば正しいのか…