イジワル社長と偽恋契約
自分だけじゃなくて彼女のためにも、これから何があっても泣き言言っちゃダメだよね。

幸せにならないと恵さんに悪いよ…






「おとなしいな」

「…社長もですよ」

「俺はプライベートでは静かな男だ」

「嘘つき…」


ついこの間まで上司と部下の関係だったのに、今は旭さんをすごく近くに感じる…

でもまだ気持ちが繋がった気がしない…







「今このまま俺んち向かってるけど…今夜はさすがに帰す気ないんでいいんですか?」


意味深な口調と意地悪な笑みを浮かべながら、信号待ちで車が停車する中私に顔を近づけてくる旭さん。





「…」


今回ばかりはさすがに断れない。

このまま帰るなんて出来ない…


私だって女だもん…






そのまま旭さんのマンションに着きエレベーターに乗り込むと、2人で閉じ込められた時のことを思い出す。


あの時の気持ちとは違う…

不安や迷い、わからないことはもう一切ないの。


ただ言葉にしたいだけ…

2人の気持ちをちゃんと確かめたいだけ…







ガチャン…


旭さんの部屋に入りゆっくりとドアが閉まり鍵をかける音が響くと、ドキドキが増して心臓が飛び出そうになる。

こんな経験初めてに近いからどうしたらいいのかわからない…






「妙」

「は、はい…」


玄関からリビングに行きそわそわしている私に、後ろから旭さんの声が降ってきた。
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