イジワル社長と偽恋契約
「付き合ってると思ってたのは俺だけみたいだったから、ちゃんと確認する為に夕食に誘ったら恵さん登場…」

「…そうだったんですか」


かなりタイミング悪いけど、自業自得ということで同情の予知なし。

そう思ってくれていたのは嬉しいけど…







「ちゃんと言葉にしないと伝わらないです。特に女性は」

「…特にお前はの間違いだろ」


フフと笑いながら旭さんの隣に腰掛けると、彼は私に近づいて座り直した。



不思議…

さっきまですごく緊張していたのに、今はドキドキが心地いいものに変わって安心出来る…


私にとって旭さんは仕事上ボスであって信頼しているし、男性としても頼りにしている。

何しろ彼が好きだから…

一緒にいて落ち着ける人なんだ。







「俺は面倒臭い女も仕事も出来ない女も嫌いだ。お前はどちらにも当てはまる」

「う…」


急に胸にグサッと来る言葉を連発。

突然夢の世界から現実の世界に突き落とされた。しかし…





「…………ん」


私の頭の後に手を回して自分の方を向かせると、やや強引に軽いキスをする旭さん。

一気に恥ずかしくなり顔が真っ赤になる。






「でも…お前の事は好きだ」


そして、最高の言葉をくれた。


ずっと言って欲しかったこと…







「私も好きです。大好きです…」


ずっと伝えたかったこと…

やっと言えた…
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