イジワル社長と偽恋契約
繋がる想い

スキ…

サーーーーー…


バスルームからシャワーの音が微かに聞こえてくる。

私は寝室のベットの上に座り言葉で表せない気持ちと戦っていた。



あれからシャワーを浴びた私の後すぐに旭さんと入れ替えになり、着替えを済ませた後こうやって彼を待っている。

着替えやスキンケア用品等を旭さんが事前に用意してくれていて、意外な行為にとても嬉しく思っていた…



ここまで来たということは…

もうこのまま…………そういうことだよね。


ゴクリと息を飲んだあとで、緊張で押しつぶされそうになる胸を押さえた。




失敗しちゃったらどうしよう…

私…まだ経験ないようなものだし…


高校生の時に未遂で終わったくらいで…


いや!そんなことはどーでもいいのっ

あー…

あんな女に手馴れてるような人とするってどうなっちゃうの?



落ち着かない様子でキョロキョロとしていると寝室のテーブルに置かれたシャンパンを見つけ、

旭さんがさっき飲んでもいいと言っていたのを思い出した。


こうなったら少しでもアルコールを体に入れるしかない!


私はシャンパンの蓋を明けてグラスにつぐと、味わいなんて関係なしにぐびぐびと飲んだ。



しばらく経つとバスルームからのシャワーの音が止み、リビングの方から物置がした。

旭さんがお風呂から出たみたいだ。


私の緊張は一気に高まる。

こんなに酒が体に回るのが遅いのは初めてだ。

早く酔っ払ってしまいたい…




ガチャ…


寝室のドアが開いて思わず目をそらしてしまった私は、旭さんの行動を気にしながらシャンパンを口に含む。




「…俺にもくれ」

「ぶっ」


ちらっと旭さんに目を向けると、上半身裸のままで下にラフなズボンを履いているだけ。




「何で裸なんですか!?」

「上だけだ。こんなのいつも見てるだろ」
< 93 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop