鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
いかにもチャラそうな男が、美空ちゃんをニヤニヤと引っ張りながら校舎裏の奥へ奥へと移動していく。
何を話しているかはわからないが、美空ちゃんは今にも泣き出しそうな表情で、いやいやと首を左右に振っている。
思いっきり抵抗しているらしいが、美空ちゃんの力ではどうしても逃げることが出来ないらしい。
チャラ男が何かしらのことに及ぼうとしているのは、目に見えた。

優斗、優斗は?!
おい、なんでこんなときにいないんだ?!
くっそ……!

「ちょ……!
保健室、行ってきます!」

元気に、訳のわからない言い訳をして、俺は教室を飛び出した。
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