鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
終わりと、始まり(瀬田優斗)
高校3年、最後の日。
俺たちが、この高校を卒業するときが来た。

朝から、俺と美空は一緒だ。
いつもは恥ずかしがってしてくれないのに、今日は特別だよ、と、美空が手をつないで登校してくれた。

そう、俺たちにとって、本当に特別な日だから。
いつもの光景、いつものクラスメイト。
でも、それも終りを告げて、これから新しい人生がそれぞれに、始まるんだ……。

「わぁ、バカップルが手つなぎ登校!」

「ははは、3年間、ずっとイチャイチャだったな、お前たち二人!」

クラス替えのない高校で、ずっと同じクラスで打ち解け合っていた仲間達は、俺らをそうからかった。
優しい表情で。

紅い顔をしながらも、席に着くまで手を離さなかった美空が可愛かった。
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