鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「いやだわ、立花さん!
そんなことおっしゃらないで!」

ははは、と母さんは豪快に笑った。

「良いじゃありませんか、文化祭、楽しかったようですし?
それに、息子は本望ですよ?
美空ちゃんと仮にでもウエディングできて」

何を言い出すんだ、この親は。

違わないけど、違わないけど、なんだ、この恥ずかしさ。

「瀬田君、そうなの? 大丈夫?」

真面目な顔で聞かれたら、答えないわけにもいけない。

「あ、大丈夫です。俺、楽しかったです。
大事な衣装を、ありがとうございました」
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