鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
ふふふ、と、優しい瞳で、写真の中の美空と俺を見つめるおばさん。
やっぱり大事な品、だよなぁ。
おばさんは使われて喜んでいるみたいだけど……。
文化祭なんかで衣装として使っても、良かったのかな。

美空は、父さんと兄貴とテレビを見ておしゃべりをしていて、聞いていない。
ああ、何か言うべきか……?

「あ、もしかしてご迷惑でしたでしょうか?
衣装とは言えど、やはりウエディング衣装ですので……。
本番前に遊び心で、なんて、将来困るとか……」

心配そうに、母さんと俺を見やる。
そんなこと、全然ないのに。
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