鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「何から何まで、申し訳ありません」

母さんの一言に、おばさんは折れた。
どうぞ、よろしかったら召し上がってください、と言って、箱を置いて先に帰って行った。

「ご丁寧な方ねぇ。
わ、美味しそうなチーズケーキ!
手作りかしら?」

箱から取り出したワンホールのチーズケーキを切り分けながら、母さんは笑っている。

「お父さん、クイズ強いですねぇ」

「ははは、美空ちゃんもなかなかだったよ!」

「兄ちゃんびりだったねぇ、美空ちゃん!」

どうやらクイズ番組は終わったらしい。
三人は、リビングから食卓へと移動してきた。
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