お気に入り同期と恋人ごっこ


「そーだな・・・
まだあの時はオレのものじゃなかったけど
誘惑すんなよ!」


「なんのことですか?」


「朱音と寝ただろ!」


「えっ・・・」


「違うのか?別にいいんだよ
オレたちが付き合い始めたのは
ついこの前の話だから
それまでのとこをとやかく
言う必要もないけど」


「あいつ そんな余計なことまで
話すんですか?」


「隠し事しないヤツだと
言ってくれるかな?」


「誘惑だとか・・・言い方嫌ですね
あの時はお互い・・・
まぁ~終わってることなんで
今さらいいです!」


「ひとつ聞いていい?
恋人役のターゲットにしたのは
なんで?女は他にもいるのに」


「そんなことどーでも
いいじゃないですか
すべて終わってることなんで!
太田さんが心配するようなことは
何もありませんから
もし太田さんが『心配だから
上野と話するな!』とか
言うんだったらしませんよ」


(泣きそう・・・あたし)


「じぁ
同じ会社だから話するなとは
言えないけど必要のない
話はするな!近づくな!」


「わかりました
もう帰っていいですか?」


立ち上がろうとする奥野さんを
「まだ話は終わってない」
と座るように要求する誠。






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