お気に入り同期と恋人ごっこ


「奥野さん また彼女できたんだ」


「はあ?またとは聞き捨てならないな」


「いや・・・その・・・
今回はなにも聞いてないなぁ~とか
思ってさ」


「いちいち報告しないといけないこと?」


確かに‼
あたしには関係ないこと。


「ごめん・・・
そしてごちそうさま
会社へ帰ろう」


トレイを持って立ち上がる。


「待て!オレはまだ食ってんだから」


「あっ・・・じゃ
お手洗いとか行って外で待ってるね」


ここは食べる前に
好きなものを取ってから支払いを済ませ
席へと座るシステムのお店だから
食べた器を返却口へ持っていけばいいので
先に持っていった。


ーーーいちいち報告しないといけないこと?


耳に付いて離れない。


「お待たせ」すぐに奥野さんも出てきた。


社用車の助手席に座ると
「何かさっきはごめんな」と
突然謝られた。


「別に・・・奥野さんは間違ったこと言ってないから 謝る必要ないと思うけど」


「ちょいイライラしてて」


「だから別にあたしには関係ない事で・・・
はい!終わり!さぁ~帰って昼からの業務がんばりましょう!」


気合を入れるかのように言うあたし。


そうでもしてないとまた落ち込んじゃうもん。







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