お気に入り同期と恋人ごっこ
誠が帰って5分も経たないうちに
またベルが鳴った。
ーーーピンポーンーーー
誠が何か忘れ物したのかと思って
「もー!冗談言ってるから
忘れ物したんで・・・し・・・ょ」
そう言いながらドアを開けると
来たのは誠じゃなく奥野さんだった。
「奥野さん!どうしたの?」
「うん?誰か来てたの?」
「あ・・・ともだちがね」
すれ違ってないよね?
すれ違ってたら奥野さんが言うはずよね。
「奥野さん 常務に捕まったんじゃないの?」
「それなんで知ってんの?」
ヤバッ・・・。
「太田さんが親切に彼氏捕まってるよ
ってラインが来たんだ」
「ライン?」
「あの人とラインしてんの?」
「仕事のこととか聞くことが
有るかもしれないし
教えてって言われたから」
「ふーん まぁいいけどね」
また言われた
興味ないって感じ。
辛いな・・・。
「上がっていい?
ダメと言われても上がるけどね」
さっさと上がってさっきまで
誠が座っていたソファーに
『あ~疲れたぁ~』
と 座り込んだ。
「疲れたの?」
「めっちゃ酒を飲んだしぃ~」
「それにしてはあまり顔に出てないじゃん」
「そう?
顔はポッポして熱があるみたいだよ」