ハラドキ・デスゲーム



「お、おい……嘘だろ…」




《そう、それが有紗くんと

他のプレイヤーの武器……拳銃だ》







俺のカバンの中には……

テレビや漫画などで見たことがある……


拳銃とそのタマらしきものが入っていた







《そのタマは、全部で10個しかない

つまり、10発しか撃てないってことだ


慎重に撃った方がいいよ〜


あっ、もし無くなっても大丈夫!!

殺した相手からのタマを使えばいいのさ


もちろん、盗むのもありだよ〜!》






「なんだよ、これ……」








俺は拳銃を手に持つと…

ずっしりくる重さがあった


その重さが本物だと語っているようだった…








《このゲームをクリアすると…

有紗くんの願いを叶えてあげるよ〜


どんな願いでも…ね?》





「ど、どんな願いでも……」






《そう、どんな願いでも…

まあ、クリアしたらの話だけどね…?》






「……………」







俺の命をかけて戦う代わりに…

クリアしたら、どんな願いでも叶えてくれる…



でも、俺は……










「そんなの叶えなくていい

俺はただ、ここから出たいだけだ」









自分の命や他の人の命をかけて戦うことじゃない…!

願いなんて叶えてもらわなくて十分だ!








《……有紗くんは、そう思っていても…

他の人は、どうだろうね〜??


自分の命や他の人の命を犠牲にしてでも…

叶えたい夢はあるんじゃないかな〜??


それに、ここから出られないって言っただろ〜??


ゲームクリアする以外…

ここから出る方法はないよ〜??》






「なっ…!」









叶えたい夢のために

自分の命や他の人の命を犠牲に出来る!?


そんなヤツ、いるのかよ…っ!

いや、いるわけねぇよ…



コロスのヤツが嘘をついているだけだ!








《じゃあ、この話は終わり!!》





「お、おい!!コロス!!

俺をここから出せ!!」





《しつこいなぁ〜

出られないって言ってるだろ〜?


出たいなら、殺すしかない》





「ふ、ふざけんな!!

ひ、人を殺すなんて…そんなこと…」






《なになに〜?

不安なの〜? 怖い〜?


まあ、そうだよね〜


自分は殺されるかもしれないし

人を殺すかもしれないんだから〜》









コロスのヤツは、楽しそうな声で

俺の気持ちを読んだ




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