双姫 Ⅰ
『男四人で一人の女を襲うなんて
余程女に困ってんだな?
そんな事やってっから
良い女が寄って来ねぇんだよ。』
バキッ!
はい、二人。
後二人は後ろへ逃げて行くが
残念ながら逃げ道は無い。あるのは壁。
焦らずとも殴れるとして、
『おい、大丈夫か?』
先ずは彼女の安全が大事。
「あ……あぁ……ッ…………うッ…。」
何か言おうとしているのか
口を動かしているが恐怖で声が出ていない。
こういう時いつも思う。女は弱い。
何も言わずブレザーを脱ぎ、
彼女の頭にかけてやった。
そして頭をポンポンと軽く叩き、
『待ってろ。
お前をこんな目に遭わせた奴らを
叩きのめしてやるからな。』
私は安心させるように笑った。