双姫 Ⅰ


『ねぇ~…暇。』


だって、一限から四限まで自習だよ?
ありえなくない?


「ずっとプリントばっかしてるもんね。」


『なんか楽しい事な…「めっちゃ可愛い!!」』


…誰だ私の声を遮ったのは。


声のした方を見ると窓を開けて外を見る陽貴。


「校門に居る子めっちゃ可愛いじゃん!!」


何一人で興奮してんの?キモいんですけど。


でも、少し気になって
私達も窓から顔を出して校門を見た。


門が閉まっているからか
その子は門の周りをウロウロしている。


『あれ…?真白……??』


「あー…あの女か。」


『女ってだけで嫌そうな顔しないの!』


「あの子かぁ!なんでぇ〜??」


真白の制服を見た時、
ここの生徒じゃないって事は分かってる。

じゃあ…なんでここに?


「朱音さんに用があるんじゃないですか?」


『私に?』


「行ってみれば分かんだろ、行くぞ。」


教室から出て、校門へ向かった。


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