双姫 Ⅰ


真白side


「うぅ~…どうしよう。」


勇気を出して、
学校をサボって迄不良校まで来たのに
まさかの校門が閉まってるなんて。

それにしても立派な学校。


「私が通う学校よりも大きいかも…。
うーん、持って来たのになぁ。」


私の手にあるのはブレザー。

私が襲われそうになった時に
助けてくれた人が貸してくれた。

男の人だと思ってたけど女の人だった。


「朱音さんに返したいのになぁ…。」


そう思ってたら誰かが私の方に走って来る。

そして、その人達は高い門を
軽々と飛び越えて私の目の前に着地した。

余りの衝撃でその人達を凝視する。


『真白、また会ったな?』


そう言って
顔を上げる男の人は私を助けてくれた人。

あの時は片目しか見えなかったけど

『朱』と『蒼』の綺麗な瞳が私を見詰めていた。


真白sideEND


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