土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
遂に来た!





俺は、着物を新調するため、呉服屋に来ていた。




すると、おなご用の小間物も、色々、置かれている。




そういえば、梓は、こういうのが好きなんだよな・・・。




何気にそれに、触れていると、主人に、声をかけられた。



主人「それは、今、おなごに人気なんですよ。」




土方「そうか・・・。」




どうせ買っても、総司に邪魔されるだけだろうが・・・。




前の香袋は、結局、馴染みの芸妓にやったのだ。




主人「そのお方は、どういう物が、好みなんですか?」





土方「え?」




主人「いえ、すみません。えらく、優しいお顔つきになったので・・・。そのお方への贈り物かと・・・。」



土方「そうか?小間物は、好きなようなんだが、あまり、こういうのを付ける時が無くてな・・・。」




主人「それでは、この様な物は、いかがですか?」




そう言って、主人が、出して来たのは、可愛らしい手ぬぐいだった。




主人「これならいつでも、使えますよ。」




土方「確かに、あいつが好きそうな柄だ・・・。では、それも、貰おう。」




主人「ありがとうございます。お包み致します。」




土方「いや、いい。贈り物なんて、柄じゃねぇからな。」




主人「それでは、ここで、おまけで貰ったと言えば、よろしいですよ。よく、そう言って、渡す方も多いです。」




土方「へぇ。」




俺は、梓への手拭いを懐にしまった。



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