強引な次期社長に独り占めされてます!
「……そんな初心だと男にいいようにされるぞ? しかも、俺とは初対面みたいなもんで、正体も明かさないって事は赤の他人も同然なんだし」

冷静な声に振り返り、ふふんと鼻で笑った。

「うぶって言うのは、箱入り娘みたいな人のことでしょう? 私は普通のサラリーマンの家庭に育ちましたー。男の人と付き合ったことだってありますー」

「へぇ。それは驚きだ」

棒読みで言われて、ぷくっと頬を膨らませる。

「私だって驚きましたよ。でもまあ、やるだけやったらすぐ逃げられましたけどねー」

ケラケラ笑いながら言ったら、死神さんがちょっとだけのけ反った。

「ストップストップストップ! そんな告白いらねぇ!」

「だって死神さん、楽しい事をしようっていったくせに、説教くさい」

「……悪かったな」

そうしているうちに注文したお料理が届いて、私は烏龍茶、そして死神さんはビールで乾杯をする。

「まずは食えよ」

美味しそうに香ばしい匂いをさせている焼き鳥を差し出されて、ぷいっと顔を背けた。

「おにぎりまだ来てないもん」

「いいから食え。お前見てたら、保護してやんないといけない気分になってくんだよ」

「私は子供じゃありませんー。今日は妖艶な魔女だもん」

「だもんとか言ってる段階でガキと一緒だ」

……そうかもしれない。
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