強引な次期社長に独り占めされてます!
「楽しそうにキラキラしながら会場見渡して、何だか嬉しそうにしてる眼ってのは、綺麗なんだよ」

ぶっきらぼうに平坦に言われて、湯飲みから視線を上げると、意外にも少し照れたような、ふて腐れたような、そんな主任と目が合った。

「ちなみに、驚いて目を丸くしている眼もいいし、パニクって半泣きになってる眼も見てて楽しいよな。女をいじめる趣味はないが、少し目覚めそうになったぞ」

そんなものに目覚められても困ります!

「マジで、目は口ほどにモノを言うってのはこういうことかな、と思った」

微かに微笑まれて、ぎこちなく笑みを返すと何故か頷かれる。

「だから、俺のになって」

「……は?」

いきなり過ぎて何にもついていけない“だから”なんですけど?

「ええと、だから。俺は俺で気になるものは放っておけないし。それに上司でいられるのも、たぶん会社だけだろうし。もう、どうしようもなく自分のものにしたいから、彼女になれ」

命令ですか?

って、どんな説明ですかそれ。

「よ、要点でお願いします」

「あー……だから、好きだから彼女になって?」

ムスッとした顔で言われて混乱した。

どこの世界に、こんなふてぶてしく告白する男子がいるんだろう。

いないよね? 見たことないよね?
まぁ、私はそもそも“告白”に縁がないから、基準は曖昧だけど……。

「返事は?」

「あ、はい」

と、つられて返事をして、自分で言った言葉に唖然とした。
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