強引な次期社長に独り占めされてます!
「……頭おかしいんじゃねえの、みたいに不思議そうな面してるが、ちゃんと答えろ。お前は頭打って、一日とはいえ入院したんだから」

真面目な表情で肩に手を置かれ、納得した。

そっか。主任には頭も打ったのかと思われてるんだね?

「鼻を強打しただけです。だから大丈夫ですよ」

鼻をティッシュで押さえながら半笑いするけど、咎めるような視線に落ち込んだ。

えーと、怒らなくてもいいと思う。

「なら何本か答えろ」

「三本。本当に大丈夫です。ちょっと腫れてるらしいですから、いつも以上に不細工になっちゃいましたけど」

「別に俺は構わねぇよ。とりあえず小鼻を押さえてだな……」

言いながら、主任は野間さんを振り返る。

「野間、近くに椅子あるか? それから芳賀はロッカールーム閉めろ。開きっぱなしは僕がいたたまれない」

「大丈夫ですよ。私で最後でしたし……」

芳賀さんがどこかぼんやり呟きながらロッカールームを閉め、それから野間さんが事務所からいそいそと椅子を持ってくる。

それに強制的に座らされ、腕を組んで見下ろされた。

……なんだろう。やっぱり怒っているのかな。主任が怖い。

「俯くな。ちゃんと真っ正面を見て押さえていろ」

「……上原主任、軍隊じゃないんだし、あなた鬼軍曹じゃないんだし」

野間さんが呟くと主任は少しだけ情けない顔をして、それから私の目の前にしゃがみ込む。
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