強引な次期社長に独り占めされてます!
「何事?」

「私たちも全く解りません」

幸村さんの疑問に芳賀さんが首を振って、野田さんと沢井さんが出社してきて朝礼が始まる。

どこかいつもと違ってざわつく事務所で、割り当てられた伝票整理をしながら真っ黒になったパソコンをチラチラと見た。

……私、壊しちゃったのかな。
弁償とか言われたらちゃんと弁償できるかな。
まだ貯金はあまりないけど、どうだろう。

そんなことを考えていたら野間さんが事務所に戻ってきて、ちょいちょいと手招きしたから近づいた。

「ちょっといい?」

なんだろう? 弁償の話かな?

そう思って野間さんに着いていくと、営業部の隣にある会議室に連れていかれた。

軽いノックと同時に野間さんがドアを開けると、真っ先に飛び込んできたのは真っ正面に座る社長の難しい顔。

その隣に専務、そして右側に置かれた長机の列に事務所の主任たちが座り、左側の列に……ポツンと俯き加減の女子社員がひとり。

……な、なんで?

「松浦さんは野間さんの隣に座ってください」

専務に言われて、一番端に座った野間さんの右側……主任と挟まれる形で座らされる。

……何だかわからないけど、重苦しい雰囲気は伝わってきて、嫌なドキドキが止まらないんですが。

何の会議?
パソコン壊しちゃったから、呼ばれたの?
弁償でもなんでもいいから、私はこんなところにいたくないんですが。

冷や汗をダラダラ流していたら、社長の表情が少しだけ和らいだ。
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