強引な次期社長に独り占めされてます!
お医者様からは「吐き気がするか」だとか「安静にしていても頭は痛いか」なんて聞かれて、何故か会社名や生年月日までも聞かれた。

何だろうと思ったけど、上原主任は当たり前みたいな表情だし、聞かれるのは普通の事みたい。

結果としては「軽い脳震盪だとは思うけど、気絶の時間が長かったから」という理由の、念のため入院らしい。

お医者様がいなくなって溜め息をついたら、頭上から微かに笑い声が聞こえる。

「松浦。緊張しすぎじゃないか?」

上原主任を見ようとして頭を動かすと、痛みにまた顔をしかめた。

動くと猛烈に痛い。後頭部にも瘤があるのかな。
どれだけ激しくぶつかったんだろ。そもそも、手をつく暇もなくぶっ倒れたもんなー。

「無理するな。動かすと痛いだろ」

カタンと音がして、上原主任が見えるところに移動してくれる。
でも、これはこれで緊張してしまうんですが……。

許される範囲で前髪を下ろすと、上原主任は眉を上げた。

「……僕を相手に人見知りか?」

どうしてバレたんでしょう。
それに、さっきから私の考え読んでいるかのように、何も言わなくてもポンポンと……。

「上原主任って、超能力者ですか」

「超能力者という言葉がどこから出てきたものかわからないが、話せるようならパソコンのパスワードを教えておいてくれると助かる」

パスワード? どうして?

「今週は休め」

いつもの上原主任らしく、真面目な顔をして腕を組んでいる。
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